読んだ:ドキュメント パナソニック人事抗争史
※以下、個人的な感想です。異論は認める。
何で買おうと思ったか
なぜあいつがGM(ゼネラルマネージャー)に?なぜあの男がGMなんだ?
っていう経験があったので。
あとは結局、特にある程度以上の規模の企業だと社内政治ってあるし、ちょいちょい巻き込まれるよねっていうところで、他社の事例が気になってたっていうのもある。
どんな人におすすめか
社会人全般
概要
隆盛を極めていた旧松下電器が社内政治によってボロボロになり、ある程度回復するまでの話。
どういう経緯でこの人が社長になり、どういう背景で判断を下したのか、の裏側が感情面も含めて書かれていて、ためになるし面白く一気に読める本でした。
普通に読み物としてもおすすめ。
いいところ
この手の失敗本だと事実ベースで分析することが多い印象なのですが、創業一家と経営陣の感情をしっかりと書いているのがよかったなーと思います。
やっぱり大企業だろうとなんだろうとそこに居るのは人間だし、人間である以上は感情があるし、(経営の神様と呼ばれた松下幸之助でさえ)義理人情からは逃げられない、っていうのを改めて考えさせられました。
ピープルウェアでもシステム開発が失敗する一番の理由は人が絡んだ問題とありますが、システム開発に限らず、やっぱり人の問題が一番大きいんだなーと。
あと、判断基準が「お客様のため」から「出世、あるいは自身の保身のため」になってしまうと短期的には(保身に)成功するけど、中長期的に深刻なダメージを負うことになる、っていうことが具体的な事例で書かれているのもよかったかなと思います。
アンチパターンとして、こういう傾向が出てきたら危ない、っていう使い方もできそうだなーとか。
文章も読みやすいし、内容も面白いので一気にさくっと読めたし、読み物としてもおすすめの一冊でした。
いまいちなところ
森下氏、松下正治氏側に厳しい書き方になっているけど、じゃあそっち側からみたらどういう光景が見えていたんだろう、がちょっと気になりました。
感想
いいところにも書きましたが、
- どんなに大企業の社長や会長も結局は人間であり、人間である以上、感情がある
- (ので、相手が仮に上司や社長であっても、相手にするときは感情のケアは大事)
- 判断基準が「出世、あるいは自身の保身のため」になると、中長期的には失敗する
あたりは読んでいて考えさせられたなーと思います。
特に自分は上司に結構厳しい基準を求めがちというか、自分より有能であるべきっていう考えが根本にあるようなので、一方で上司も人間であり感情があり、そこを忘れると場合によっては大惨事になる、っていうのを忘れないようにしないとなーと。